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はじめは赤くなかった北斎の「赤富士」 ― 葛飾北斎「凱風快晴」

 葛飾北斎の富嶽三十六景の中で、最大の名画として名高い「凱風快晴」は、一名「赤富士」とも呼ばれている。
北斎は、赤、藍、緑の三色だけを用い、富士の威容を描いている。
この「赤富士」は、実は、はじめ赤くなかったということが、近年分かっている。

パリのギメ美術館が、所蔵している天保2年(1831年)頃の版の「凱風快晴」は、一般に私たちが見慣れているものと大きく違っている。

富士の山頂付近は茶色、代赭色(たいしゃいろ)が少し続き、オレンジ色が徐々に淡くなり稜線付近まで続き、裾野から広がる青緑色と溶け合った色彩に変化している。
背景の空の色も、はっきりとした藍色をしているのは、山頂より、かなり上の部分だけである。

このギメ美術館の版は、研究者により、稜線などの輪郭線、木目などから判断され、日本の東京国立博物館所蔵の版(天保2年頃)より、初摺に近いものであることがわかっている。

北斎の「赤富士」は、はじめは、鮮やかな赤ではなかったのである。

当初、絵師である北斎の意図どおりに、彫師により版木が彫られ、摺師が擦り重ねて色を出していたものが、やがて、客の反応を見ながら、資本を持つ版元が色調を変えていったのである。この時代には、しばしばあったことだという。

北斎が残した「赤富士」。早朝の日の光を浴びた、神々しい富士の姿を捉えている。


葛飾北斎「凱風快晴」
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